色への探求はニュートンやゲーテをはじめ、学者だけではなく様々な人たちが取り組んできました。テクノロジーの発達によって判明したこともありますが、その捉えかたは心理的な側面も多く、時代の変化や社会的な側面に大きく作用されます。今だに謎が多いため、大きく引き込まれるところがあります。
そこで、私も色彩研究の一歩として色の嗜好調査を行いました。調査内容は、日本色彩研究所が1978年から1994年まで行なっていた消費者の色彩嗜好調査と、色の好みとパーソナリティとの関係(2019 、松田・名取・破田)を参考に、色の嗜好とそのパーソナリティーの関係性を調べる内容にしています。対象はデザインを学ぶ大学生198人です。
75色のカラーチャート
<調査結果>
1番目に好きな色について
1番目に好きな色については40番と46番が13票で一番多くなっています。カラーチャートを見ると40番は赤で46番は青緑で、色相においては大きく差のある色味です。40番は赤でも明度が高く、46番は青緑の彩度が高い色になります。その次に多い色は37番、38番、43番、47番となっており、青紫系に集中しています。
1番目に好きな色についてのアンケート
2番目に好きな色について
2番目に好きな色については36番が16票で飛び抜けています。色味でいうと青緑のライトカラーになります。1番目に好きな色でも36番は人気がありましたが、1番目と2番目に選ぶ色は、それぞれ選択する理由に違いがありそうです。
2番目に好きな色についてのアンケート
3番目に好きな色について
3番目に好きな色については75番が飛び抜けています。この色は、無彩色の黒です。ちなみに白やグレーのような色味のない無彩色も色彩学では色と定義されます。33番から49番あたりの色味の鮮やかな明るい色には人気があります。また、1票のみで選択されている色が1番目に好きな色、2番目に好きな色と比べると多くあり(26色)、やや分散しているように見えます。
3番目に好きな色についてのアンケート
自分のパーソナルカラーだと思う色について
全体的に見ると3番目に好きな色への回答に近い結果となっていると思います。具体的には票が最も多い75番、その次の41番が同じです。57番であるディープトーンの青が多く、これは1番目に好きな色でもやや人気がありました。この結果から、自分の1番好きな色が自分のパーソナルカラーと考える人は多くはなく、自分の3番目に好きな色がパーソナルカラーと考える人が多い傾向にある可能性が見られました。個人的な感想としては、パーソナルカラーを無彩色である黒を選ぶ人が多いことに驚きと謎を感じました。
自分のパーソナルカラーだと思う色についてのアンケート
つづく