思考の拡散と収束について

アイデアを生むプロセスは、広げる作業とくっつける作業の2つに分かれます。広げる作業は、関連するモノコトや連想、思いつきなどを、言葉やスケッチでなるべく沢山、短時間でアウトプットします。逆にくっつける作業は、整理、取捨選択、統合、融合などをします。広げることで情報量は増えますが、くっつけることで点にします。心理学者ジョイ・ギルフォードの拡散的思考、収束的思考と同じです。以下、神経科学の大黒達也氏のHPの一部を紹介します。創造性について科学的な解明が進んでいます。

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人間の創造性に関する科学的研究の歴史は古く、これまでも心理学や教育学などを中心にさまざまな学説が提唱されてきた。その一方で、近年はfMRI(機能的磁気共鳴画像撮影法)などのテクノロジーの発展により、脳の神経細胞の動きなどを詳しく検証することが可能になり、人間の知的活動を脳の機能として解明する研究が進んでいる。

神経科学の専門家である大黒達也氏は、過去の創造性研究のなかで注目している学説が2つあるという。1つは心理学者ジョイ・ギルフォードが提唱した「拡散的思考・収束的思考」だ。拡散的思考は固定概念にとらわれず、新しい発想を自由かつ無数に生み出していくことで、収束的思考は論理を積み重ねて1つの最適解を導き出そうとすることである。創造性とはこれらの相互作用によって導き出されると大黒氏は話す。

「創造性とは『新規性』と『価値』の両方を満たすもののこと。ピアノの鍵盤をでたらめに叩いただけでは、『新規性』はあっても『価値』がある曲とはならないように、アイデアがただ広がるだけでは足りません。自由に広がった発想を冷静に見つめて価値があるのかを検証する思考のプロセスが必要です。創造性は、脳が拡散的思考と収束的思考というある種の相反する思考を交互に繰り返すなかで、一種の『思考の揺らぎ』としてもたらされると捉えています」

もう1つの学説とは、社会心理学者グラハム・ワラスが提唱した「創造性が生まれる4段階」だ。1920年代に発表された学説で、やや大雑把な概念モデルではあるが、創造的発想のプロセスを上手に表現していると大黒氏は話す。例えば、準備期とは、拡散的思考を意識しつつ、本当に価値があるかを検証する収束的思考をしている状態と捉えられるという。

https://www.adeccogroup.jp/power-of-work/220
から引用

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