現在の日本は超少子高齢化に向かっています。総務省統計局「人口推移」によると令和3年8月1日の確定値で65歳以上人口(28.8%)が0~14歳人口(11.8%)の2.4倍。また厚生労働省「人口動態統計」によると合計特殊出生率は2019年で1.36であり、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推移人口(平成29年推計)」では、2040年には1.43とやや上昇すると仮定されていますが、子どもが減り続けるのは変わりないでしょう。
厚生労働省「人口動態統計」
続いて、日本国内の人口移動をみると地方から大都市圏への集中がはっきりとわかります。またその大部分は若年層。特に20〜24歳の層について大きく動きがあり、大学進学や就職のタイミングで移動していることが推測されます。その結果、地方の人口減少は進む一方で、人口流出の歯止めやIターン・Uターンの受け入れ、近辺からの移住などを進めていかないと生き残れない状況となっています。
住民基本台帳人口移動報告 2021年
さて、本題ですが私が在籍する岡山県立大学は岡山県総社市に立地し、都市の分類は国土交通省の第四次全国総合開発計画によると地方中心都市といえるでしょうか。人口は間も無く7万人突破するとされていて、8年連続で世帯数と人口が増加しています。「子育て王国そうじゃ」のキャッチコピーのもと子育てに対して手厚い支援を行っていることや、「障害者1000人雇用」を掲げた福祉事業などにも積極的に取り組んでいるのが良い結果を生んでいると考えられます。しかしながら日本全体は人口減少、大都市集中傾向であり、さらに新しい価値を生み続けていかないといつかは頭打ちになるでしょう。そのためにニーズとウォンツを探る必要があります。
そこで、総社市への移住促進を目的にしたアンケート調査を行いました。総社市以外の岡山県在住、20代〜60代までの男女合計500人に対してグーグルフォームを使用したネット調査になります。アンケート項目には、総社市への興味関心、移住意向、移住する場合の理由についてをあげており、総社市への意識の高さとその理由が測れるようにしました。
1:興味がある 6:興味がない
1:考えている 6:考えていない
<調査結果について>
●総社市への興味度に関しては、1〜3までを意向ありとすると合計で49.8%になり、アンケートに回答した中で約半分が興味ありと回答したと言えます。この数字が高いか低いかは、他の市町村も同じ条件で調査をしてその比較によって得られるものと考えられます。ただ、感覚的には好感触ではないでしょうか。
●総社市への移住意向に関しては、1〜3までを意向ありとすると合計で7.6%になり、人数では40人となりました。岡山県の人口が令和3年4月1日現在で1,875,525人であり、その7.6%だと計算すると142,539人になります。総社市の人口がまもなく7万であることを考えると、およそ倍の人数が移住へ意向のある人数である考えられます。
●移住への理由に関しては、「自然が豊か」が1位となりました。岡山県は全体的に自然が豊かだが、総社市は岡山県民からみても自然が豊かであるというイメージでした。続いて「パン屋が充実している」「治安がいい」「家賃やマイホーム購入費用がお手頃」「交通の便が良い」「子育て制度が整っている」が多く、新世帯の生活に都合がいいイメージがあると考えられます。また、自由回答では市長に関しての回答が4件ありました。